2017年10月16日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-最終回

辛抱強く鍼灸治療に来ていただいて、
カラダを妊娠体質に改善。
薬の服用なしで、自力で胚盤胞になる力が
ついて妊娠。

鍼灸治療9回目のころ、
当院に来られるようになってから
初めての人工授精の周期でした。
(人工授精は、今までに4回されています)

次の周期に、転院の相談を受けました。
Hさんは42歳になって、
Dクリニックに転院されました。

DクリニックでのAMH検査の結果は、
0.76。1年前、他院での検査結果は、
1.41。
AMH検査は通称、卵巣年齢検査。
数値が低くなっているので、
卵巣が老化しているということがわかります。

プラノバールを2週間服用後、
ショート法で採卵。
4個出てきた卵胞ですが、採卵できたのは
わずかに1個。
結局、受精4日目の桑実胚でストップ。
ショート法にトライしたにもかかわらず、
受精卵をキープすることができませんでした。

2周期ほどあけて、レトロゾール1錠を
6日間、生理3日目から服用。
3日目と8日目にhmg300単位を2回注射。
卵胞は8個出てきて、採卵できたのは4個。
1個をフレッシュの胚盤胞で移植。
もう1個は胚盤胞で凍結できました。

フレッシュの胚盤胞を移植して
妊娠されました。
ですが、妊娠6週を過ぎても、
胎のうが確認できず流産されました。

2か月後、同じ方法で採卵。
2個採卵して、2個受精。
凍結している胚盤胞と今回採卵して
胚盤胞になった胚を合わせて、2個胚移植。

判定はプラス。妊娠されました。

出されたお薬は、プレマリン、ルトラール。
バイアスピリンにヘパリンの注射。
今回は妊娠5週2日で胎嚢が確認されました。
ですが・・・

妊娠7週2日の診察で心拍の確認ができず、
またもや流産されました。

漢方の先生に相談すると、のぼせている
カラダの状態が流産を引き起こした可能性が
あると言われたそうです。
風熱(ふうねつ)というものです。

Hさんは腎陰虚でカラダが火照っている。
しかし、下半身は冷えている。
そんなタイプの方が、風邪などを引いたりすると、
風熱の状態になり、妊娠を継続できない
ことがあります。

Hさんは43歳になり、またもや転院を決意
されました。
このときも相談を受けました。
Yクリニックも不妊治療では実績もあるし、
当院に来られている方で、Yクリニックに
通院されている方も多いですよ。

今、自分の気持ちがYクリニックに傾いて
いるのなら、転院の時ではないかと思いますよ
と、アドバイスしました。

まず、Yクリニックでは排卵を誘発するお薬は
なし。生理から20日目で2個採卵。

1つはグレードCの評価でしたが、
胚盤胞で凍結できました。

次の周期はレトロゾールを服用して1個採卵。
受精したがすぐに分割停止。

Yクリニックでは、採卵後ソフィアを
12日間服用。
高温期を作って、次の周期に採卵される
とのことでした。
Hさんは、レトロゾールでの採卵に不安が
ありました。

薬を飲まなくて採卵したら、グレードは
悪かったけれど、胚盤胞で凍結できた。
だけど、レトロゾールを服用したら、
受精はしたものの、分割停止したからです。

ですが、Yクリニックのドクターは、
レトロゾールを服用しての採卵を
すすめられました。

結果、またしても4日目の桑実胚で分割が
停止。

Yクリニックの方針では、胚盤胞を4つ
ためてから胚移植しましょうということでした。
この調子だったら、いつになったら
胚盤胞で4つためられるか、不安ですね。

またソフィアを12日間服用。
生理3日目の血液検査の結果は、
E2 7.0、LH 1.5、FSH 3.2。
全体的に数値が低すぎかな?
ソフィアの効果が、効きすぎているのではと
言われたそうです。

今回はクロミッドとhmgの注射をすすめ
られましたが、最初に通っていたクリニックで
良い結果が出なかったので、Hさんの希望で
お薬をなしで採卵することになりました。

ドクターに自分の希望を言うことは、
とっても大切。遠慮していると、どんどんと
自分の思っていた治療法から遠ざかって
しまうことになりかねません。

ただ、いまだにドクターに希望を
受け入れられなくて、インフォームドコンセントが
スムーズになされていないクリニックが
あるのは、現実の問題ですね。
患者さんから聞いた話で、おおよそ
そのクリニックにどんな先生がいるか
わかりますからね。

生理から22日目の採卵の予定でしたが、
採卵日当日、排卵してしまっていたので、
急きょ人工授精に切り替え。
ですが、2週間後に生理が始まってしまいました。

今回は、ソフィアの服用をせず、
薬なしでの採卵を希望されました。
生理3日目の血液検査の結果は、
E2 11.9、LH 5.4、FSH 11.3。
おおよそ、血中のホルモンバランスは、
ソフィアを服用した前回より、
良くなっていますね。

鍼灸治療の効果が、出てきているのだと
判断します。
それは、薬を服用しなくても、
Hさんの自分の力で、ホルモンバランスを
整える力が出てきたからではないでしょうか。

生理から15日目で、卵胞の大きさは15ミリ。
E2 199、LH 11.3 FSH 7.2、
P4 0.1。
18日目の採卵になりました。

このとき、以前のように採卵の時に
排卵していてはいけないので、
当院オリジナルの排卵を1日~2日間
抑制する鍼をしました。

通称、排卵止めの鍼灸治療です。

そして、1個採卵できました。
凍結してあるものと、今回採卵した
受精卵のグレードを比べて、良い方を移植
しましょうということになりました。

何と、今回、薬なしで採卵した方の胚盤胞の
グレードが良かったので、フレッシュで
1個移植。

胚移植の前日、1日後、6日後に鍼灸治療を
させていただきました。

結果、プラス判定。

プラス判定が出た週から、
流産予防の鍼灸治療をしました。

妊娠5週と2日で、7.5ミリ胎のうを確認。
妊娠6週と1日で心拍の確認ができました。

以後、13週と5日まで、流産予防の
鍼灸治療をさせていただきました。

今回、Hさんが43歳で妊娠された時の
採卵の方法は、お薬を服用せずに、
自然に出てきた卵胞を採卵。

辛抱強く鍼灸治療に来ていただいて、
体質改善をしたことが良かったと思います。
Hさんは自力で胚盤胞になる力がついていた
ということですね。

採卵前のHさんのカラダの状態は、
100パーセント良くなっているというのでは
ありませんでした。
ですが、特に卵子の質に悪影響だと思われていた、
血の濁りである、瘀血(おけつ)問題は、
ほとんど80~90パーセントきれいになって、
良くなっていたのです。

血液の質をキレイにするということは、
質の良い卵子を育てるのに、
とっても大切なのであります。

Omura


2017年10月12日 blog 0

坂口家の薬膳レシピ No.2

9月5日のブログでご紹介させて
いただい、坂口家の薬膳レシピ。
第1回目でした。
ブログを見られた患者さんたちから、
坂口家の薬膳レシピに紹介された料理を
作ってみますね・・・と言ってくださいました。

10月も中旬にさしかかると、
朝夕が涼しくというより、寒さを感じる
ときがありますね。

温かい物が恋しくなる季節になりました。
今回は身体を芯から温めるスープを
2品ご紹介します。

ココロもカラダも温まる
秋野菜いっぱいの具だくさん豚汁

 

にんじん、大根、ごぼう、里芋、玉ねぎ、
あげ、豚肉。

具材をやわらかくなるまで煮て、
味噌で調味します。

味噌には、お腹を温め冷えを改善する
作用があります。

野菜も沢山採れるので、大きめの器で
おかずの一品としていかがでしょう。

 

北海道産 栗マロンかぼちゃで作る
かぼちゃのスープ

かぼちゃ、玉ねぎをバターで炒め
スープで煮た後ミキサーにかけて、
牛乳を加えます。

臓腑の働きを高める食材のかぼちゃに
玉ねぎを合わせる事で効果が高まります。

スープの上にのっている赤い食材は
クコの実です。

2品とも身体を温め、免疫力を高める
作用があり、風邪をひきやすい方にも
おすすめです。

薬膳コーディネーター
坂口多紀子

 

(院長のコメント)

にんじん
血を補ってくれる赤い食材に属します。

血が少ない血虚や気が不足している
気虚タイプ。
気が滞っている気滞のタイプの方に
食していただきたい食材です。

「肝」の働きを良くするので、眼精疲労や
ドライアイ、視力の低下している方に
いいです。

肌や粘膜を保護してくれる作用も
あります。
抗酸化作用も高く、免疫力を高めて
くれます。

かぼちゃ
黄色に属する食材で、特に気が不足して
疲れやすい気虚タイプの方に良い食材です。

かぼちゃのスープに使われている、
栗マロンかぼちゃ・・・商品名だけでも
秋を感じますし、美味しそう~。

かぼちゃは「脾」の働きを高めてくれて、
気を補ってくれます。
要するに、胃腸の働きを高めてくれます。

胃腸の働きが良くなり、気を高めること
によって、血液を作る働きを助けます。
血行を良くして、身体をあたためるので、
冷え症の改善にも役立ちます。

冬至の日に、
ゆず湯につかったり、かぼちゃを食べる
という昔からの習慣がいろんな地域に
ありますが、寒い冬を乗り切るための
食材だからではないでしょうか。

2017年の冬至の日は、
12月22日、金曜日です。

「一陽来復」という言葉がありますが、
冬至を境にして、太陽の陽気が弱まって
寒さが増してゆき、陰の力がきわまると
反対に陽に転じます。
冬至を境に陽気が少しずつまして、
春に向かっていくのです。

季節は陰⇒陽⇒陰⇒陽へ。
陰から陽へ、陽から陰へ繰り返し、
巡ります。

人のカラダの調子も陰と陽のバランスを
保つことで、健康でいられるという
ことでしょうか。

言い伝えでは、冬至を境に陽気が
増すことによって、運気も上昇していくと
万事が良い方向に向かうと信じられて
いました。
何か、そんな気がしますし、
全てが良い方向に向かうといいですね。

Omura


2017年10月10日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-⑥

不育症にについて
東洋医学的な見方

前回、不育症の原因を西洋医学的な
観点から簡単に説明しましたが、
今回は東洋医学的な視点でお話しましょう。

ストレスも不育症の原因のひとつ
上げられますが、
ストレスを東洋医学的に言うと、
根本的には気が滞る。

気滞(きたい)で気が滞ることに
よって、カラダのエネルギーのもとである
「気」巡らない。
それによって、カラダを栄養する「血」も
巡りが悪くなって滞る。

子宮や卵巣にきれいな血が巡らない。
きれいな質の良い子宮内膜や質の良い
卵子が育ちにくくなる。

ホルモン分泌を促す脳の視床下部にも
影響して女性ホルモンの分泌を促す
指令がうまく届かない。

気の滞りによって、自律神経が乱れ、
女性ホルモンの分泌が必要な時に
必要なホルモンが分泌されにくくなる。

自律神経の乱れで交感神経優位になると、
血管が硬くなり全身の血流が滞って、
五臓六腑に血液が巡らないので、
いろんなカラダの不調が出てきます。

東洋医学では、五臓六腑はすべて
つながっていて、ひとつの臓や腑が悪くなると
関連性の高い臓や腑が悪影響を受けて、
悪くなるのです。

例えばストレスで肝臓が悪くなると、
関連性の高い胃が悪影響を受けます。
だから、ストレスからくる胃炎や
胃潰瘍になるのです。

そして、どんどんと悪影響が進むと、
肺臓、腎臓、心臓に影響が及びます。
臓腑の腑は、胆のう、小腸、大腸、膀胱
などを指します。
胃の調子が悪くなると、胃腸が悪くなって・・・
なんて言いませんか。
これも関連しているからなのです。

子宮も臓腑の腑と言われています。

血液の巡りが停滞すると、血の質が悪くなり、
瘀血(おけつ)ができてしまうと、どんどんと
血液の質が悪くなる。

気が滞ることによって、カラダにいろんな
悪影響が出ます。

気滞の症状が進むと、イライラや怒りの
感情で気が上り過ぎると、カラダが
火照ったりして寝つきが悪くなり、
不眠症にもなりかねません。

気が上り過ぎると、上半身は火照っている
けれど、下半身は冷える。
冷えのぼせの症状で、妊娠しづらい
カラダの状態になってしまうのです。

東洋医学の四字熟語でいうと、
肝火上炎(かんかじょうえん)とか、
肝気鬱結(かんきうつけつ)とかみたいな
表現をします。
何となく、カラダの状態が悪いような
感じがしませんか?

気逆(きぎゃく)、陰虚火旺(いんきょかおう)
などもあります。
本当はもっと四字熟語の症状は多いのですが、
簡単に例をあげておくだけにします。
東洋医学的に見ても、不育症になる原因は
いろいろあるんだなぁ~と思っていただければ
良いと思います。

鍼灸や漢方はストレスフルなカラダの状態を
健康な状態にリセットしてくれる、
ひとつの方法だと思います。

それに、鍼灸治療をしているときに、
患者さんとお話しする時間がしっかり
あるということ。

病院では聞けないような、いろんな問題を
聞かれることがあります。
できる範囲ではありますが、
心が穏やかになって前向きになれるように
一緒に話ができるというのは、
いいことだと思っています。

さて、Hさんが44歳で初産されたお話の
道筋が少しそれてしまいましたが、
次回はHさんが不妊治療をのり越えられた
エピソードの最終回です。

Omura


2017年10月6日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-⑤

不育症検査について

妊娠しても赤ちゃんが育たずに、
流産や死産を繰り返してしまう状態を
「不育症」といいます。

流産を2回くりかえすと、反復流産
3回くりかえすと、習慣性流産

初めての妊娠で流産の確率は10%~15%と
言われていて、その半分以上は胎児の
染色体異常です。
染色体異常ではどうすることもできませんね。

日産婦誌59巻9号のなかで、
不育症についてはいまだに原因不明の
部分が半数を占めており,そのために
標準的検査,治療法がないのが現状である。

と書かれています。

原因と言われているのは・・・
●染色体異常
●子宮形態異常
●内分泌異常
●血液凝固異常
●免疫異常
●ストレス

検査は、子宮形態異常を除いて
ほとんどの項目が血液検査で分かります。

だから、流産を繰り返す前に
検査しててもいいのではと思っています。

内分泌の問題では、各種ホルモンの
補充を経口薬や注射をされます。

血液凝固の問題で、
抗リン脂質抗体と凝固因子異常の場合は、
バファリンやバイアスピリンの服用や、
程度によってヘパリンの注射をされます。

免疫の問題では、
夫リンパ球免疫療法でご主人のリンパ球輸血や
ピシバニール免疫治療で注射したりされます。

簡単にご紹介した項目は、
血液検査の結果でお薬で何とか問題を
解決しましょうというものですね。

ここで、見逃せないのは、
ストレスの問題なんです。

流産を繰り返すことによって、
妊娠してもまた流産するのでは・・・の
不安でストレスが増大します。

西洋医学的な話になると、
自律神経がうまく機能しなくなって、
緊張が続いて交感神経が優位になると・・・

アドレナリンが上昇⇒
毛細血管が緊張して血行が悪くなります。⇒
妊娠初期に赤ちゃんにへの栄養がスムーズに
運ばれずに流産の可能性がある。

ストレスでプロラクチンが上昇すると、
妊娠維持に働く黄体ホルモンの分泌が
低下します。

免疫細胞・NK(ナチュラルキラー)細胞が
活性化して、数値が高すぎると妊娠維持に
影響します。

では、東洋医学的には・・・
この話は次回にしましょう。

Omura


2017年10月5日 blog 0

10月の無料カウンセリング

2017年10月の
無料カウンセリングの日程

1人で悩んでないで、良かったら不妊治療に関して
悩んでいることがあったり
疑問に思っていることがあったら、
当院に来られてみてはいかがですか?

今思っている疑問や問題の糸口が
みつかるかもしれません。

10月  4日(水)  担当/大村  (予約済)

            11日(水) 担当/大村or安田 (予約済)

      21日(土) 担当/大村  (予約済)

      25日(水) 担当/大村or山崎 

午後1時~1時30分
(各時間、お一人、または一組)
(担当は変わることがございます。ご了承ください。)

病院でいろいろ検査をしたけれど、
特に問題はないと診断されても、なかなか妊娠できない。
タイミング療法を経て、人工授精、そして体外受精まで
ステップアップしたのに妊娠できない。

妊娠したけれど、流産をくりかえす。

二人目がなかなか授からない・・・など。

東洋医学的に見て原因や問題が
解決できるかもしれません。

当院ではなかなか妊娠できなかった人たちが、
今までに 1234組 がママ・パパになられています。

●東洋医学的に見て不妊原因はどのタイプに属するのか
診断いたします。
また、その解決方法のアドバイスもいたします。

●鍼灸治療はどのようにするのか、当院の治療の方法も
ご説明いたします。

●その他、不妊治療で疑問に思っていることなどがありましたら
ご相談ください。

カウンセリングの時間は30分くらいですが、
個別無料カウンセリングご希望の方は、

当院に電話でご連絡ください。
電話 0752412101

もし一人で悩んでおられるのなら、気軽にご相談ください。
少しはお力添えできると信じております。

Omura